「そういえば、そろそろ夏休みも終わりですね。」

朝食を済ませた勇翔達は居間でくつろいでいた。

「あぁ、そうだな…いろいろとあった夏だったなぁ…」

京介は感慨深そうに天井を見ている。

「では、そろそろ戻らなくてはなりませんね。」

「そうですね。僕も晶ちゃんも蓮さんも、皆一度家に戻らないといけませんね…」

「あーあ…何か淋しいなぁ…」

晶は床に大の字に寝転んだ。

「まぁ、二学期が始まればまた寮で一緒になれるんだ。そう言うな。」

「ところが、そうも行かなくてなぁ。」

それは、憲蔵の声だった。

「ち、父上!?いつお戻りに…!?」

京介は慌てて姿勢を正した。晶も正座に直った。

「さっきだ。それより、京介、蓮、それに勇翔。お前達には国連統合軍に行って貰う。晶は荷物を纏めて家に戻れ。二学期が始まったらちゃんと登校するんだぞ。」

「え、あの…ユウ君達は…」

「こいつらはしばらくは学園には行けない。用が済んだら行けるだろうがな。」

「…そうですか…」

「…すまんな。じゃあ行くぞ、三人共。」

三人は憲蔵と一緒に部屋を出て行った。一人残された晶は自分の部屋に戻った。

「えっと…何かあったんですか?」

勇翔は思わず問い掛けた。

「ん?いや、まぁ大事な話があってな。これはお前達にも関係する話だ。まぁ、詳しくは車で話そう。」

憲蔵はそれだけ言ってさっさと進んで行った。四人が玄関に止めてあった車に乗ると運転手は車を走らせた。

「さて…俺が、紫閃大隊を再建するつもりだという話は聞いているな?」

「は、はい。母さんから少しだけ…」

「悠里か…まぁ、あいつにも関係しているからな。その紫閃大隊には、お前達も編入させるつもりなんだが…どうだ?」