「はい…分かりました…お前らは教室に戻ってろ。俺は急用が出来た。大人しくしてろよ。」

須山はケイタイをしまって柔道場を出て行った。

「…行っちゃいましたね…どうしましょうか…」

「…ふう…仕方ないな。戻ろうぜ。」

京介達は教室に戻った。




須山は学園長室の前に来ていた。

「…学園長、須山です。」

「あぁ。入ってくれ。」
須山は学園長室に入った。中には学園長ともう一人、黒い短髪の男がいた。

「真藤…お前も呼ばれたのか?」

「いえ。私は報告に参りました。」

「報告…?」

「あぁ。今から約三時間程前、国連統合軍中央指令室の偵察部隊からの報告が来たそうなんだ。北緯十五度東経百六十五度の海洋上に未確認の敵性反応を感知したらしい。その反応の進行ルート上には、日本がある。」

「日本に…!?」

「あぁ。恐らく目的は初めから日本なのだろう。私達はそれを迎撃しなくてはならない。だが学園の教員全員を連れて行くことは到底無理だ。だから君と真藤を連れて行きたいんだけど…どうかな?」
「…了解しました。」

「…うん。なら、そこにいる人にも来て貰えるのかな?」

学園長は部屋の扉を見た。

「…お見通しでしたか…」

「蓮…!?お前、後をつけて来たのか…!?」

「君は確か、師紀家の分家の次期当主だね…なら君にも作戦に加わって貰えないかな?」
「な、学園長!?」

「…分かりました。」

「蓮…!?」

「私は逢原家の次期当主。逃げも隠れもしません。」

「…決まりだね。なら直ぐに出発しよう。準備はいいかな?」

三人は頷いた。

「よし。行こう。」

四人は学園長室を出て行った。