「少し、怖かったですね…」
「まぁ、教師だからだとは思うが、何だかな…」
勇翔と京介のとこに蓮と晶がやって来た。
「あの方は、かつて国連統合軍日本駐留軍の指揮官だったお方ですよ。お忘れですか?京介さん。」
「あぁ。あの人が…名字しか聞いて無かったからな。」
「多分、その頃に何かあったのだと思いますが…」
「へぇ…でも、そんな人がどうしてこんなところで先生なんてやってるんでしょう…」
晶のそんな呟きを聞いて京介は微かに顔を曇らせた。その時授業の始まりを告げるチャイムが鳴った。
「あ、じゃあ席に戻りますね。」
「あ、はい。」
晶と蓮は席に戻った。そこに須山が入って来た。手には剣の握りの様な物を持っていた。「…何でしょうね、あれ…」
「…さぁ?」
「全員いるな?じゃあ、いきなりだが移動だ。柔道場に行くぞ。着替えなくていいからさっさと廊下に並べ。」
生徒達は廊下に並んだ。
「よし、行くぞ。」
そして須山に引率されて柔道場に行った。柔道場に着くと、須山は生徒達を座らせた。
「いいか?今から、お前らの聖霊の属性を調べる。方法は簡単だ。けの剣の握りに、自分の霊力を注ぎ込む。見てろ。」
須山は握りを握った。すると体を紅い霊気が覆った。生徒の間からざわめきが聞こえた。「ふっ!」
須山が霊気を剣の握りに込めると、霊気と同じ紅い刃が現われた。「こうなる。刃の色はその人間の属性を表す。俺の属性は炎。だから刃も紅い刃になる訳だ。霊力の込め方は、意識を集中させて全身に力を込める。それで霊気が放出される。だがこのままじゃ駄目だ。その放出された霊力を握りを握っている手に集中させることで初めて霊力を込めることができる。じゃあ…もう聖霊を扱える奴はいるか?」
そう言われて蓮と京介が立ち上がった。
「お、じゃあやってみろ。」
須山が握りを京介に投げてよこした。
「…ふっ!」
京介が霊力を握りに込めた。すると紫色の刃が現われた。
「ほぅ…お前は雷の属性か。なるほど…じゃあ次だ。ほれ。」
今度は蓮が霊力を握りに込めた。
「はっ!」
すると今度はオレンジ色と赤が混ざった様な色の刃が現われた。
「…この色…!?お前、まさか…!?」
その時須山のケイタイが鳴った。