「そこでじゃ。まぁ、当然勇翔は昇進は確実じゃ。恐らく、佐官に抜擢されるじゃろう。そしてそれを機に、動き出すじゃろう。」

「…一体、何を…」

「お主、紫閃大隊は知っておるじゃろう。その大隊長が坂原斗耶じゃった。」

「はい。」

「そして大隊長不在を理由に隊は解散した。じゃが、憲蔵はそれを復活させるつもりじゃ。」

「父上が…!?」

「あぁ。」

「では、父上が大隊長を?」

「いや、統合軍の軍規上一人が複数の隊を指揮することは無いのじゃ。」

「…じゃあ、誰が…」

「…勇翔君じゃよ。」

「勇翔が…!?」

「彼は天盤を会得しとるそうじゃ。恐らく完全にものにするのは時間の問題じゃろう。それに剣術の腕は父親譲りじゃ。恐らく儂でも敵わん域まで達しておる。実力的には誰から見てもふさわしい逸材じゃよ。」

「しかし、勇翔がいきなり大隊長というのは…では、勇翔も元帥になるということですか?」

「いや、そこまではいかんじゃろうが…まぁ、聖騎士には列挙されるじゃろうな。」

「聖騎士…それは、レオン様と同じ地位に就くのですか?」

「あぁ。史上最年少パラディンとなるじゃろうな。」

「…勇翔が…」

「勿論、お主も紫閃大隊に配属されるじゃろうがな。」

「…は…?」

「後は、蓮君か。確か悠里君もじゃったかのぉ…」

「ち、ちょっと待って下さい!」

「ん?」

「な、何で俺と蓮が紫閃大隊に配属されるんですか?悠里さんはまだ分かりますけど…俺と蓮はどうして…」

「あぁ、まだ言っておらんかったなぁ。お主と蓮君はいずれは統合軍に配属されることになっておったんじゃ。悠里君から聞いておるじゃろう?」

そう言われれば学園に悠里が来た時に聞いていた気がした。