魔天戦史

「貴方は、やはりあの刀に宿っていたのですね。」

「主との最後の契約だったのでな。おかげで、新たな主と出会えた。」

「…そうですか。」

「…良い聖霊を見つけたのぉ、勇翔。」

「…はい!」

「さて、では戦いに専念させて貰おうかの。勇翔君、無理はするでないぞ。」

拾蔵は朱雀を駆って大群に切り込んで行った。

「…僕達も行こう!」

「あぁ。」

勇翔は青龍を駆って突き進んだ。

「はあぁっ!」

勇翔は刀を水平に構えた。すると青龍と勇翔が水に全身を包まれた。

「秘剣、貫水龍刀(かんすいりゅうとう)!!」

勇翔はそのまま悪魔の大群に突っ込んだ。悪魔は貫かれ、切り裂かれ、抉られてかなりの数が一気に消滅した。
「ほぉ、見事なものじゃのぉ。儂らも負けておれんな!」

拾蔵は空高く飛び上がった。

「はあぁっ!」

拾蔵が刀を真上に突き出した。すると朱雀と拾蔵を炎が包み込んだ。

「秘剣、破炎凰弾(はえんおうだん)!!」

炎に包まれた拾蔵は刀を振った。すると刀から朱雀の形の炎が放たれ、悪魔の大群を一気に焼き払った。

「…ふむ、どうやら片付いた様じゃの。戻ろう、勇翔君!」

拾蔵は勇翔を呼んだ。
「はい!」

二人は並んで下に降りた。下には京介と蓮とレオンが待っていた。三人は勇翔の姿を見て唖然としていた。

「ゆ、勇翔!?お前、何で…!?それに、それは…!?」

京介は一気に質問をぶつけた。

「あ、あの…」

「あ、あぁ…すまん…」
京介は戸惑う勇翔を見て質問を止めた。

「まぁ、落ち着きなさい京介。取りあえず、居間に行こうじゃないか。話はそこでしよう。」

勇翔達は拾蔵に従って居間に移った。青龍は刀に戻った。京介達はそれにも驚いていた。