研究所中に非常警報が鳴り響いた。

「非常事態発生!非常事態発生!東棟付近で第三部隊が侵入者と交戦中!第一、第二部隊は至急急行せよ!繰り返す…」

警報は鳴り止まない。
「急げ!」

男がライフルを片手に部下に指示する。部下達は自分のライフルを取って整列した。

「良し、行くぞ!」

隊長らしき男が部下を率いて駆け出した。東棟に到着すると、もう他の部隊が応戦していた。男の部隊はすぐに他の部隊に合流してライフルを敵に向かって撃った。しばらくして銃撃を止めた。

「これだけ撃てば…」

しかし前からは悲鳴が響き渡った。

「!?う、撃て!」

男の一言でまた部下達が撃った。しかし敵は銃撃をすり抜け、右手に持った剣で部下を切り捨てて近付いて来ている。

「くそ…ッ!」

男は剣を持った男にライフルを向けた。しかし次の瞬間にはもう男は自分の頭上を飛び越えて先に進んでいた。その背中には、純白の羽が生えていた。





「…流石に警備は厳重ですね。」

クロームは誰とも無く言った。

「あぁ。だがあまり訓練されてはいない様だな。」

「えぇ。おかげで予定より早く中枢に到達出来そうですね。」

クロームはそう言うながら敵を切り捨てて進んで行く。勇翔も魔法を駆使して背後の敵を排除していく。そうしていると四人は動きを止めた。

「…どうやら、ここが中枢の様ですね。」

クロームはそう言ってドアの上のプレートを見た。プレートには[中枢ブロック]と書かれていた。

「では、行きますよ!」
クロームがドアを斬った。そして四人はすぐに中に突入した。中はかなり広く、様々な機械が並んでいる。機械の先にはガラス張り空間があり、ガラスの先には一本の刀が、機械に取り付けられていた。

「…あれが、蒼天の様ですね。」

四人は少しずつ歩き出した。