「…あっ…!?」

「!?弥佳!!」

八洲をかばったのは、弥佳だった。倒れる弥佳を咄嗟に受け止めた。

「おい!弥佳!!」

八洲が何度も呼び掛けるが、弥佳は目を開けない。

「…そんな…ッ。」

悲嘆に暮れる八洲に再度悪魔が拳を振り上げた。

「はあぁっ!!」

しかし悪魔は頭から一気に真っ二つに切り裂かれた。それは勇翔だった。

「はぁ…はぁ…八洲さん…ッ!?」

勇翔が八洲に駆け寄ろうとしたが悪魔に邪魔されて近付けない。今にも悪魔に吹き飛ばされてしまいそうだ。その時、一体の悪魔が二人に向かって拳を振り上げた。

「!?八洲さん!!」

勇翔は何とか駆け寄ろうとした。しかしやはり悪魔が邪魔で近付けない。悪魔は容赦無く拳を振り下ろした。しかし悪魔はどこからか飛来したミサイルに吹き飛ばされてしまった。

「あれは…!?」

勇翔がミサイルが来た方向を見ると、遥か先に戦闘機の編隊が飛んで来るのが見えた。

「ようやく来たようじゃのぉ。」

勇翔の近くに来た拾蔵が呟いた。

「じゃあ、あれが…」

「あぁ。国連統合軍第七師団空挺部隊だ。あれの師団長が、クローム・アルバーヌなんじゃよ。」

そこにクロームが降りて来た。

「遅れて申し訳ありません。後は我々が引き受けますので、お下がり下さい。」

「そうじゃな。では任せるかの。あっちにはレオンがいるのじゃが…もう終わりそうじゃな。」

拾蔵が見つめる先では、レオンが既に大群をほぼ殲滅している姿が映った。

「えぇ。あちらには援軍は必要無いでしょう。後は我々が。」

「あぁ。頼むぞ。勇翔君は京介達を連れて降りてくれ。儂は、あの二人を…」

拾蔵は目線を八洲と弥佳に向けた。

「…分かりました。」

勇翔は京介達に声をかけて下に降りた。