「そんな…ッ!?」

呆気にとられている蓮に、男は剣を振って黒い斬撃を飛ばした。

「くッ…!?」

蓮は天叢雲剣で辛うじて防いだがそのまま後ろの木に吹き飛ばされてしまった。

「く…あ…ッ!?」

地面に倒れた蓮は立つことすら出来ない。そんな蓮に男は更に剣を向けた。その時…

「そこまで!!」

そう声が響くと、男は剣を納めた。その声のした方向に京介と勇翔は同時に振り向いた。
「…拾蔵様…何で…」

勇翔は何が何だか分からなかった。

「なるほど…そういうことか…」

京介はグングニルを納めた。

「京介さん…一体何が…」

「あの男、どこかで見たことがあったんだ。それが誰だか思い出せなかったんだが…たった今思い出したぜ…あの男…いや、あの方は国連統合軍中央指令室大元帥直轄特務隊[ジャッジメント]の特務隊長、レオン・イェーガーだ…」

「特務…隊長…」

男は二人に向かって歩いて来た。

「済まなかったな。いきなり襲撃をかけて…だが君達の実力を見るにはあぁするのが一番手っ取り早かったんだ。許してくれ。君達のことは師紀元帥から聞いている。」

「父上から、ですか?」
レオンは静かにうなずいた。

「私のことは、何かお父上から聞いているかな?」

「いぇ、あまり詳しいことは…」

「そうか。君のことも聞いている。坂原勇翔君。」

レオンは今度は勇翔に話し掛けた。

「あ、え…僕、ですか?」

「あぁ。君のお母さんにはとてもお世話になったよ。紫閃大隊の頃にね。」

その時蓮か苦しそうな声を発した。

「っと、そうか、回復させてやらないとな…いくらアマテラスとはいえ、月属性の技を食らえばダメージも大きいだろうな。」

レオンはそう言いながら蓮に近付いた。レオンは懐から何かを出してそれを蓮に飲ませた。すると途端に蓮は眠ってしまった。苦しそうな声も出していないようだ。