「…そうか。ご苦労だったね、四人とも。それに緋凰様もありがとうございました。」

大元帥は緋凰に向かって言った。

「私は任務の終わりついでに寄っただけだ。ねぎらいなら憲蔵達にかけるべきだ。」

「いえ、そんな…緋凰様が来なければまだあれと戦っていたはずですから…」

「お前ならすぐにまた別の策を考えていたのではないか?」

「いえ、それは…」

憲蔵は言葉に詰まった。

「…紫閃大隊で最も戦果を挙げた男が、丸くなったものだな。」

「…貴方程ではありませんがね。」

「ふん…さて、あれの解析は第二師団に任せて来た。そろそろ結果が出る頃のはずだが…なぁ、ガリス?」

そこへ誰かが口を挟んだ。

「おや、気付いておいででしたか…流石ですネェ…ククク…」

それはいつの間にかドアを開けていたガリスだった。

「丁度、結果が出ましたよ…しかし実に面白い結果が出ましてネェ…」

「いいからさっさと言え。」

憲蔵が業を煮やして怒鳴った。

「ククク…アトランティスの装甲を調査した結果、魔金属が46%…残る54%はレアメタルであることが分かりましたヨ…」

「ほう…レアメタルか…ならば私の報告と関連しているかも知れんな。」

「…大元帥。緋凰様の任務とは一体何なんですか?」

「…まぁ、任務は終わったんだし、話しても構いませんか、緋凰様?」

大元帥は緋凰に笑いかけた。

「…まぁ、構わんだろう。」

「それでは…緋凰様の任務は、火星で発掘されているレアメタルの経路調査なんだよ。」
「レアメタルの、経路調査…ですか?」

「あぁ。その課程で幾つか組織を潰したがまぁ大丈夫だろう。問題はここからだ。」

緋凰は懐から数枚のプリントを出して大元帥に渡した。