「今日のところは連れて帰る」

それだけ言った俊は、

私を車に乗せた。

・・・

いつもの無表情・・・ってわけじゃない。

これは明らかに、

怒ってる?


「あの・・・」

…勝手にすごいことを決めちゃって、

そりゃあ、怒るよね?


それ以上は何も言えず、

私は外に目をやった。


車が止まった途端、

私の顔を、自分の方に向けた。


そして、

私の唇に、人差し指を当てて、

ポツリと呟いた。