この声が枯れるまで

「もう6時なる!!!やべ!集合時間って6時までだよな?」

「まって!今は、えっと~~……5時30分だよ?」

「ぎりぎりあと一つ何か乗れるわね。」

「旅館に近いだろ?この遊園地。」


俺のメラメラはまだ消えることは無い。遊園地。一番の楽しみは………


「なあ。観覧車のらねぇー?」


そう。観覧車だ。


「うん。ちょうど夕陽も奇麗だし、乗ろうか?」


「そこそこすいてるみたいだし、いいわね。」


俺は、急いで「作戦」を実行させた。ぎゅっと長尾の手をつかんで、人ごみの中を走った。


「っちょ!隼人?」


長尾の驚いている声など、耳に入らないくらい走った。


「隼人?」


小さく問いかける高い声。


「何?」


わざとぶっきらぼうに言ってみる幼い俺。

「どこ行くの?」

彼女はその高い声で心配そうに言った。


「黙って俺について来い。転ぶなよ。」


俺は、そういうと赤い観覧車に乗り込んだ。二人とも、息をきらしていた。



「隼人ぉぉぉぉ!!!!」



観覧車は、もう空に近づいている。下では、浩二が大きな声でキレているのが分かる。よっしゃ!と勝ち誇った顔をして、浩二を見下ろした。八木は、あわてている浩二の腕を必死に押さえながら「大丈夫」と親指をたてて合図した。長尾は何がなんだか分からないという顔をしながらも、序所に沈む太陽の美しさに見とれていた。



「こういうところでさ、ギター弾けたら最高だと思わない?」

「え?」


「観覧車が頂上まで来たとき、日が沈む風景をバックに、誰かに音楽を届けたいなーって思うんだ。」