この声が枯れるまで

「うっわー。何年ぶりだろ。遊園地なんて。とっても楽しいね。」


長尾はそういうと、人ごみの中に入って見えなくなってしまった。長尾は身長が150センチもない。まあ、小学生ってそんなもんか。


遊園地では、聞き覚えのある楽しい音楽が遊園地の雰囲気をより一層高めていた。大きなハートの風船が配られたり、ポップコーンが売られていたり、きゃーと楽しそうに悲鳴をあげる女性の声が聞こえたり。とにかく、俺たちは、思いっきりはしゃいだ。


『同じ中学にいけない』



そういった長尾は、今日もいつものように明るい笑顔ではしゃいでいる。もしかしたら、最後の修学旅行を存分に楽しもうとしているのかも。いつまでも引きづらないんだ、長男は。与えられた試練を、正面で受け入れ、どう対処すればいいのか。長尾は知っている。そういう面で、俺よりは大人っぽい。


「隼人?」


「ん?」


「目とじて!」

「え?」


俺は、言われるがままに長尾の指示に従った。長尾はくすくす笑いながら、「目あけていいよ」とつぶやいた。


「はい。ギターの風船~~~~!!!」


俺の手には、ギターの形をした風船があった。それも、すっげええでかい。俺の顔の二倍以上の大きさだ。


「~~っすげ~」


なんで、長尾が?もしかして、探してきてくれたのか?そんな嬉しい疑問が俺の頭でゆらゆらゆれている。



「隼人喜ぶかなって。喜んでくれてありがとー」


じゃあ、ジェットコースターでも乗ろうか。そういって長尾はにこっと微笑んだ。妙に俺の恋心を揺さぶりながら、みんなのもとへと戻った。