この声が枯れるまで

★翌日★


「修学旅行について、今プリントが渡されたと思うので、そのプリントをよーく見てくださいね。」


教頭先生がそういうとみんなの視線は一気に一人一人がもってるプリントへと移った。


「え~と……」


俺も、最近低下してきた視力の悪い目でよーくプリントを見た。ここ2、3年で視力が1.0から0.6まで低下したのにもかかわらず、めがねはかけていない。兄ちゃんは、黒いふちのついているめがねをしているけど、たぶん視力は俺よりいい。


≪修学旅行について≫



①旅館では、よる9時には消灯し必ずみんな寝ましょう。先生達が皆さんの部屋のすぐ近くにいますので、起きていたら旅館の周りを朝まで走ってもらいます。


②班別行動では、周りの人に迷惑をかけないようにしましょう。横に並んで歩いたり、食べながら歩くのはやめましょう。そして、知らないおじさんにはくれぐれもついていかないように。


③バスでは、おもいっきりはしゃいでもいいです。歌って踊って、楽しんでネ★





「③の最後……あれはツッコんだほうがいいのだろうか?」


なんで、ここらへんの地域の大人は、文の最後に★をつけたがるんだろう。趣味?それともウケ狙い?教頭先生は女で48歳くらいだ。そんな大人が、ねをネに書き換える必要があるのだろうか?


「……わからない。」


周りの奴らも、同じように不思議におもっているらしい。それにしても、教頭先生は、そんなみんなの表情を確認するわけでもなく、ただニコニコと、教頭が書いたプリントに目を通していた。


「っていうかさぁ。」



「9時に寝ないと、旅館の周り走らないといけないの?」


うっわぁ~~。みんなの嫌そうな声で教頭先生に攻撃した。教頭はさっきのニコニコスマイルを維持しながらも、その声にこたえようとしていた。


「去年の生徒が、怒られたんですよ。11時すぎても、足音や、笑い声がたえないから、その部屋のしたの部屋に泊まっていた一般客から苦情がきたらしくて。」


へーえ。みんなは納得したようだった。