たっぷり間を開けて










「クリア♪」



オッサンが、パラパラパラ・・・と机に広げた答案に

俺は、はぁぁぁぁぁぁと安堵の息を洩らした。





留年を賭けてオッサンが出した条件は期末で平均点を取るコト。

むーりーだーろーっっ!!



真珠でさえも赤点に設定してくれたボーダーラインをいきなり跳ねあげんなっ!!






反抗しようとした矢先、オッサンがこそっと耳打ちしてきた。




『こんくらい軽く超えねぇと紫朗に真珠取りあげられっぞ?ちなみに俺が二人のカンケーチクルし♪』


『・・・・・・・』




美代家のみなさんは悪魔なんでしょーか・・・?












だけど真珠を取りあげられると分かってて、何もしねぇわけにはいかない。


俺はその日から、未だかつてないホド勉強した。


これほど死ぬ気で、本気で、何かに取り組んだのは初めてかもしれねぇってくらい。







いや、俺もガンバッタけど、俺より、俺に勉強教えるハメになった真珠の方が大変だったかもしれねぇけど・・・。