「止めとけ、ロウ。こんな女に構う前に、駆け寄るべき女がいんじゃねーのか?」
ヨー先輩の言葉にはっとした。
「真珠・・・・っ!!」
乱された服はとりたてて乱暴に破かれた様子もなく、着て帰るには支障はなさそうだが。
ショックが大きかったのか、疲れ切ったのか、ただ胸元を手で押さえて静かに息を継いでいた真珠は、俺の声に緩く顔を上げた。
その顔にほのかに笑みが浮かぶ。
「ワンコなら来てくれると思ってたわ。アリガトウ。」
手を伸ばしかけ、
握って戻した。
「・・・ごめん。誰か・・・真珠送ってくんね?」
その言葉に、そこにいた仲間が「え?」と驚く。
俺は今にもあがる呼気を呑みこむように奥歯を噛み締めた。


