骨を砕くような音をどこかで聞きながら、

もうその頃には回し蹴りで次の男を床に沈めて―――



跡形もなく理性がトんだ。








「っ―――ヤメロ、ロウ!!!」




そんな声がして、後ろからはがいじめにされて、我に返った。


後ろから俺を押さえたのは月だった。


どんだけ息を継いでも肩が上がる。


周囲の音が聞こえないくらい自分の鼓動がウルサイ。







気付いた時には

部屋にいたヤツ等は殆ど倒れていて、

俺の目の前には、錦織が青い顔で固まっていた。







「放せ、月夜ぁっ!!コイツ、殺してやる!!!」


「落ちつけっ!仮にも相手ぇ女だぞ!」



「カンケーねぇよっ!真珠に手ぇ出しやがって、二度と外歩けネぇよーにしてやるっ。」






渾身の力で月を振り払い、拳を振り上げた。












だが、振り下ろそうとした腕はガシッと掴まれた。