月と別れて俺は一足先に繁華街へ。
廃ビルって言ってたけど、どこのだよ~っ!
ドッチに向かおうか、と途方に暮れていると、携帯が鳴った。
コードレスにして電話に出ると、相手はヨー先輩だった。
『話は月から聞いた。オマエ今、どの辺りだ?』
自分の位置を告げると、先輩は『丁度イイ』と言って、そこから北へ向かったトコロある五階建ての閉鎖ビルへ向かえと言った。
『確証はないが、多分、そこが闇蛇の溜まり場だ。』
「なんでヨー先輩はそんなコト知ってんの?てか、闇蛇って何モン?」
俺の質問に先輩は説明してくれた。
神出鬼没、目的不明、正体不明の都市伝みたいな不良集団。
闇討ちに掛けられるのはどっかの族の頭だったり幹部だったり。
かと思えば、不良とも言えない優等生だったり。
彼等の仕業と思われる事件が最近近隣で多発していたコト―――


