「やみへび・・・・」





その言葉を反芻した月の顔付きが変わった。





「なんか心当たりあんのか?」


「ああ。・・・いや、俺じゃねぇけど。」



曖昧にそう答えた後、月は徐に力強く頷いた。




「先に行っとけ。俺も直ぐ追いかける。携帯には直ぐ出れるようにしとけ。」

「分かった・・・」





頷いて、不図月の後ろに現れた人物に視線を止める。



繭良ちゃん。

心配そうな顔で俺達のやり取りを聞いていた。





「繭良ちゃん・・・色々、ゴメン。」


「ふぇ?・・・色々、て?」


「いやぁ・・・イチャイチャしてたところ邪魔しちゃって?」


「い、いちゃいちゃ・・・///」




ホントだぜ、と言いたげな月と、真っ赤な顔でフリーズしてしまった繭良ちゃん。





俺は、それと・・・と続けた。







「心配させるよーなトコロに月連れ出して、・・・ゴメン。」