バイクに飛び乗った頃には電話は途絶え、俺はフルスロットルで走りだす。





やみへびってのは何だ。

真珠は大丈夫なのか?






繁華街へ一直線に向かうつもりで―――

俺は走りだして直ぐに進路を変更した。





「月夜ぁ―――っ!」





とある一軒家の前で声を張り上げると、程なくして灯りの付いていた二階の窓からひょこっと月が顔を見せた。





「頼む・・・・手ぇ貸して。」




俺の懇願に月はすっと顔を隠し、直ぐに外へ出てきた。






「どうした?」

「真珠が連れてかれた。」





電話でのやり取りを伝える。








今すぐ真珠のトコロへ行きたい。

だけど、相手も状況も計れない今、やみくもに飛び込んで行って勝ち目はあるのか。



ただ駆けつけるだけじゃダメなんだ。




どうしても確実に真珠を奪い返さなきゃ。