真珠は少し悲しそうにほほ笑み、俺の額に唇を押しあてた。
「カワイソウな、ワンコ。私の所為で巻き込んでしまったわ、ゴメンナサイ。でも、何も心配しなくてイイのよ。」
ま・・・真珠?
立ち上がった真珠を不安で見詰める。
真珠は不敵に口端を吊り上げて、颯爽と身を翻した。
「あの性悪お姫様、ワンコを使って宣戦布告とは中々いい趣味してるわね。でも・・・喧嘩を売った相手が悪かったかしらね―――」
「真珠・・・・」
部屋を出て行こうとする真珠に声を掛けると、真珠は思いだしたように振り返り俺にウィンクをかました。
「ワンコは暫くお留守番ね。大丈夫。檻も住めば都ってものよ。」
イイ子にしてなさいね・・・
そう言い残して真珠が部屋から出ていった。
真珠・・・・
一体、なにをやってるんだーっ?
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