貴虎が王子様なんかじゃなくてよかったとほっとしつつ
その勢いで聞いてみる。
「ねぇ?・・・・俺って真珠の何?」
「何って、かわいいワンコでしょ?今も昔も」
雨音をバックミュージックに、歌うような真珠の声。
「ぅ、ん。まぁ、ワンコなんだろーけど、それはそれでもイイケド・・・彼氏?」
「あら?ワンコは彼氏になりたいの?」
「そりゃ・・・・?」
「そう。なら彼氏でも良いわよ。彼氏でも愛人でも弟でもパパでも―――アナタのスキなモノを名乗れば良いわ。・・・でもそんなコトはね、本当にどーでもイイ事なのよ。」
「・・・・」
何故だ。
彼氏でイイと言われて素直に喜べないのは何故だ?
真珠の言わんとするコトが分からないのは俺の頭の悪さのせいか?


