「で、いつまでそんな不貞た顔してるの?カワイイ顔が台無しよ。」



貴虎から借りた傘で真珠と相合傘。


雨に仕切られた二人だけの空間で、真珠が口を尖らせた俺を覗きこむ。





だってさぁ~、だってさぁ~

貴虎となんかあんだろー?

二人でなんか秘密っぽいの、ヤダ。





だけど、俺が幾ら追及しても真珠は教えてくれネぇ。




拗ねていた俺は口元にするっと冷たいものが滑った感覚に我に返った。






「痣になっちゃってるわね。私を迎えに来た所為でゴメンナサイ。」


「ん。こんくらいヘーキ。」


「一人で来たのは騒ぎを大きくしないため?」


「そ。だってみんなで来たらバトル必須だろ?俺は真珠迎えに来ただけだかんな。」


「お利口ね。アリガトウ。」





ニッコリほほ笑まれて、釣られて笑い返した俺の負け。