「いやぁねぇ~。子供の至りよ。」
「それを言うなら若気の至りだろ。つか、ガキの悪戯超えてんだよっ!!」
人によってはたかが虫と開き直るかもしれねぇが、
俺にとっちゃ『ヤツ』はガチで冗談にならねぇ領域だったんだ。
現にその後も度々吐き戻したり、皿の中血眼で確認しなきゃモノが食えねェくらいのトラウマに襲われたしなっ!
美代はその相手にとって本当に脆い部分を容赦なく刺してくる。
「ところでアナタ、まだワンコをイジメてるの?根性というか、懲りない人ね。」
ソファーに座った美代は器用に髪をまとめ、眼鏡をかけた。
なんでそんな野暮ったい格好してんだ。
・・・全然気付かなかったじゃねーかよ。
ま、そんなコトはどーでもいいが・・・
「苛めてねーよっ。そりゃ、チョイ前に仲間同士でぶつかって、たまたまガチることになったけどよ・・・まぁ、そん時は俺が勝ったケド・・・・。ありゃ、辛勝ってヤツだ。」


