真百合は縁者でもねぇ
単なるご近所のババア。




ばしっ★



「「あたっ!!」」


「オマエさん達、無駄口叩いてる暇があったらさっさと手を動かさんかね。」



「「・・・くそばばぁ~・・・」」




箒が直撃した後頭部を摩りながら思わず呟いた。

思わず堪忍袋の緒が切れたのは俺の方だった。


ばしっと持っていた雑巾を床に叩きつけて真百合に怒鳴る。




「ババァが足なんざ骨折すっから、オフクロに看てこいっつわれてきてやってんだろーが!ババァならババァらしくもっと謙虚になったらどーだ、クソババア!!」




はぁはぁはぁ・・・



真百合はすぅと目を眇め、ニタリと口角ダケを吊り上げた。




「ほほぅ。それは感心なこったね。でもまぁ、ムリして来るこったないさ。みんなに知られてもイイならね。オマエさんがここに通う真の理由―――」




「ぅわ゛わわわぁあああ」




俺は慌てて真百合に飛びつき口を塞いだ。