ガレージには俺を含めて一応幹部候補と呼ばれるヤツ等の為に仕切られた部屋がある。
そこに女を連れて行きシャワーを促した。
そもそも簡素なガレージだ。水音も筒抜けなら、声も届く。
親切心は嘘じゃねぇが、ここに連れて来たのはちょっとばかし聞きたいことがあったから―――。
「オマエ、襲ったヤツ等に心当たりあっか?」
「さぁ?」
嘘なのか本当なのか。
女を襲ったのは多分『闇蛇』。
やみへび
正体不明、神出鬼没。
得意技は闇討ち。
どんな集団なのか、的にかけられるヤツの定義が何なのか、
まるで不明。
蛇のエンブレムが唯一の目印。
俺達もたまたまその集団の存在を知っただけで、ほとんどのヤツ等はまだ知らない筈だ。
最近この界隈で密やかに暗躍している集団。


