その時、ヨー先輩の携帯が鳴った。


電話に出て先輩の顔が曇る。



や、今の俺ほど不安なヤツもいないだろーけどさ・・・。





「ん。分かった。サンキューな。」



電話の相手にそう言って電話を切った先輩は、徐に俺に顔を向けた。


その表情がいつになく真剣で、戸惑う。







「ロウ。落ちついて聞けよ?今、ウチの二年からの連絡だったんだけどな・・・」





蛍光灯に照らされた部屋が嫌に暗く感じる。














「魔女子が連れ去られた・・・・ぽい。」






外の雨音が不意に耳元に近づいた気がした。