そもそもこの学園の人間、いや人外もだが、なぜこうも自由奔放なのだろう。
思えば開校当初からそうだった気がする。
もっと教師も生徒も数が少なかったがどいつもこいつもアクが強かった。
……ああ、でも。
初はため息をつくことをやめ、静かに笑う。
昔、佐倉や理事長が言う世界は理想だと思っていた。
人間と人外が一緒に学ぶ学校。
前例はないし、出来るわけもないと思っていた。
――それでも。
いつも賑やかだった。
この学園には人間も人外もなくて。
全ての個性が認められる。
個性が強すぎて反発しあったり、馴染めなかったり、距離を置いてしまったり。
そんな仲間たちも日々起こる騒動に巻き込まれていつしかそんなこと忘れてしまう。
ここは、楽園だった。
どこにも馴染めず、つらい思いをしたものたちにとって。
人間に忌避され、人の中では生きられなくなったものたちにとって。
そして何より――私にとって。

