「今回私は一体……?」
過去にも何度かこういうことがあったが、今までの依頼は全て担当の教師がいなかったり手のつけられない生徒がいたため。
今回の依頼とは方向性が異なる。
「生徒につられてか、教師も人間が台頭してきてね。武闘派なんて呼ばれてる。あたしの出る幕もないよ。」
「しかしいくら強いとは言っても人間だ。必ず限界がある。奴らはその限界を授業に当てている。本職であるはずの授業を疎かにしているというわけだ」
「そこで佐倉と話して、人間が頑張っているならあたしら人外がフォローするのもありじゃないのかって。昔人外が騒ぎを鎮めている間、人間が授業を受け持ってくれたように」
「それを今回お前に任せたい。とりあえず、という形にはなるけどな」
「わかりました。天神学園が教えるのは勉強のみではありませんから。そちらは人間に任せましょう」
恭しく御衣黄は頭を下げる。

