「何を見てきた?」
佐倉が問う。
「生徒では魔女と鴉天狗、魔物に吸血鬼の血を引くものなんかが目立ちますかね。あとは神さえもいました。それに気になる人間が少々」
「それから?」
「職員室に死神、エクソシスト、それから……箱」
何か迷った末に"箱"どこまでも期待を裏切らない。
そして、御衣黄"元"が入ってないぞ。
「人間にも剣客やチャイナ服の女は要注意でしょう。ああ、小岩井さんには驚きました……お初さん?」
初はそれを聞いて頭を抱えていた。
佐倉は遠い目。
「ええと。何か不味いことでも?」
「今はね、授業中なんだ。職員室にそんなに人がいるはずないんだよ」
苦虫を噛み潰した顔、とはよく言うが実際食べた人はいるのだろうか。
「……嘘ですよね?」
ナレーションの下らない疑問をよそに話は進む。

