迷った結果、声をかけない事にした。

通り過ぎた瞬間、満奈の香りが鼻をくすぐった。

――ズキッ

心が痛む。

痛い、すげぇ痛いよ…。

このまま、距離と共に心も離れてくのか……?

んなの、絶対嫌だ。

だけど……。