あのドラマが最終回を迎える頃。

虻川一郎という、有名な舞台監督からオファーが来た。

11月に上演する、戦国時代が舞台の物語。

弱小国の武士役として選ばれていた人が急遽体調不良で入院、本番までに間に合わないと判断されたため、俺が代役として抜擢されたのだ。

監督は、たまたま見かけた月9での俺の演技がとても素晴らしかったと褒めてくれた。

厳格なイメージで、実際その通りな方から褒められると嬉しい。

だけど実際、稽古が始まってからは一度も褒められたことはなかった。

大体注意されるか怒られるかのどっちかだ。