「そーだよわりーかよ!」
「はっはっはっ! 我が弟ながら可愛いとこあるじゃーん!」
「うるせー! 人のことからかってる暇があったら彼氏でもつくれ!」
「うわーひっど! お姉様に向かってそんなこと言うなんて! うわーんお母さーん!」

泣き真似をして台所に向かった姉貴。

その背中を見ながらコーヒーを飲む。

今年25になる姉貴に浮いた話など聞いたことがない。

両親はどっちも美形なおかげで俺ら3兄弟も顔だけはいい。

そこだけ見れば男に困らなさそうなんだけどな。

なんて姉貴の恋人事情を考えているうちに家を出る時間が迫ってきた。

「ごちそーさまー」

皿を台所に下げて自室に向かう。

姉貴がなんか言ってたけどシカトした。