「満奈ー」 「んー?」 「......満奈」 「どうしたの?」 二回名前を呼んでみた。 愛しくて仕方ない人の名前を。 「好き」 そう言うと、電話の向こう側の満奈は微かに笑った。 「......ん。 あたしも好きだよ」 優しい声。 これを聞くだけで今日の疲れなんて吹っ飛ぶ。