それから数時間後。 「お邪魔しました!」 「送らなくて大丈夫か?」 「大丈夫だって! …バイバイ」 「あぁ、またな…」 3年間同じ所で暮らしてた俺らにとって、こう言うのは新鮮で。 寂しさが込み上げる。 玄関のドアを開けようとする満奈。 …行かないで。 ふと、そんな事を思った。 通じるわけがない。 …はずなのに。 開けようとして、満奈はそこで動作を止めた。 「満奈?」 華奢な後ろ姿に声をかけた。