結局その日は結衣は目を覚ますことはなかった。 いつになったら目が覚めるのだろう。 と考えていたら、 「奏多…」 微かだが結衣の声が聞こえた。 「結衣…」 俺はベッドに寝ている結衣を見ながら話した。 俺がもっと早く気付けばな…。 それから結衣の声が聞こえなくなった。 きっと空耳だったのだろう。 相当結衣が好きなんだなとまた実感。 「結衣、また明日来るから。」 そう言い残し俺は病室を出た。 病院の外を見るといつもはまだ明るい時間なのにもう暗くて前が見えないほどになっていた。