帰ってきた誠生さんは、少し怒り気味だった。
その顔のまま俺のところまで来た。
「すまんが結衣と別れてくれるか?」
と言われた。
結衣から離れる方がいいのかもしれない。でも、
「すいません。別れるつもりないんで」
「でもね、結衣のことを考えたら別れた方がいいと思うんだ。」
誠生さんの言ってることは合ってる。でも、
「別れたくないんです。離れたら俺がダメになるんです」
美奈さんと誠生さんは互いを見た。俺は何を言われても引かない。
少しの時間が空きようやく誠生さんが口を開いた。
「君は結衣に何をしたんだ?どうして結衣はリスカなんてしたんだ?」
俺は美奈さんの方を見た。話していないみたいだ。
「お話します」
それから今までのことを言った。嘘をつかずに真実だけを。
その話を聞き、美奈さんは涙を流し、誠生さんはただただ立っていた。
「別れたくないんだな?」
誠生さんが涙を流しながら言った。
