「結衣、今握ってくれてるのは奏多君だよ?」 悲しい顔の美奈さん。 ふいに結衣の手を見た。 左手首に包帯を巻かれている。 少し血が滲んでいた。 「容体はどうなんですか?」 今まで笑顔だった美奈さんの顔はどんどん悲しみにあふれていった。 「結衣ね… 起きるかわからないの。」 そう一言言った。 「それって、植物状態ってことですか?」 「そうなるわね」 目が覚めない?そんなの嫌だ! 結衣が居なくなったら俺がダメになる。 頼むから目を覚ましてくれ。 握っている手をさらに強く握った。