「僕が誰だか知りたいみたいだね」
また当たられた。
「さっきも言った通り君を裁く者であって…
君の心の闇だよ」
意味の分からないことを言う男の子。
私の闇?
「簡単に説明すると、人間には光と闇がある。光は生きているときに活動する。闇はその人間が死ぬ寸前に現れ活動する。」
男の子はさらに続ける。
「光はできる範囲のことはするが、今みたいの君は光でも無理なんだよ。だから僕にバトンをパスしたんだ。」
反論できない。本当のことをズバズバ言ってくる男の子。
「ちなみに君は死んでいない。」
「本当に…?」
「あぁ」
安心した。まだ奏多に会える。
そう思ったんだけど…
「でも、この空間に来たってことは候補生かな?」
「どういうこと?」
