未だに信じられないでいる俺は、 そこに立っているしかなかった。 確認すればいいのだろうけど、 今そんな力は残っていない。 俺は結衣を失うのか? なんでだ? 全く理由がわからない。 突っ立っていると、 「伊藤!!ここにいたか」 振り返るとそこには結衣の担任・新田がいた 。 「お前なんか知らないか?」 真剣な顔になり聞いてきた。 俺は何も言えなかった。 何を言われるかわかっていたから。 それを見て、 「佐伯のことだ」 静かにそう言った。