「な、なななななんで
 桜木君がここにっ・・・?」

「だからさっき言ったでしょ?
 彼は今日からうちに住む
 桜木空くん。
 ・・・ってなんで美織、
 桜木君の名前知ってるの?」



お母さんは目を大きくして
私と桜木君を交互に見た。


制服に刻まれた
同じ校章。
お母さんはそれに気づいたのか
「ああっ。」と、
声を漏らした。
どうやら私と桜木君が同じ高校だと
今気づいたらしい。



「俺と佐々木、
 同じクラスです。」


桜木君の言葉を聞いて
お母さんは嬉しそうに微笑んで
言った。


「そう、それなら話は早いじゃない。
 あっ桜木君、
 荷物重たいでしょ?
 部屋案内するから上がって上がって!!」

「えっ、ちょっと待ってよ。
 部屋って・・・。」



あたふたしている私の横を
お母さん、
そして桜木君が通り過ぎた。




私をおいて
事はどんどん進んでいく。