シャーーーッ



私の横を黄色の自転車が
走った。


乗っているのはもちろん、
桜木だ。



「ちょっと!!
 自転車通学ってズルイよッ。」




自転車通学なら
この家から大体、10分ぐらいで
学校に着く。


私が後ろから叫ぶと、
桜木は自転車を止めてこっちに
振り返った。


桜木はハア?とでも
言うように、
ギロッと私を睨みつけた。



でも、
口にしたのは意外な言葉だった。





「じゃあ、後ろ乗るか?」