「・・・お前さあ。」

「な、何?」


「・・・。
 やっぱ何でもない。」

「は?」



桜木はそう言うと、
私の横をスタスタと通り過ぎていった。


・・・何よ、
なんか気になるんですけど。



「なに?何言おうとしたの?」


私は階段を下りながら
桜木に聞いた。


「だから、何でもねーって。」

「そーゆうの、
 一番嫌いなんだけど!!」


桜木はピタッと立ち止まると、
ゆっくり振り返った。

私は何でも来いッ!!
と、桜木の言葉を待つ。