「…んっ…んー」
はっ!!!
あたしは勢い良く顔を上げた。
うそ……ずっと寝てた。
え…みんないないし、外もう暗いし…。
1人パニクる自分。
「…6時30分」
何時間寝てたんだろう…
てか見回りの人とかに気付かれなくて良かったー。
早く帰らなきゃ!
あたしは机の横に掛かっているバックを取ると急いで教室を出ー…
「へー俺を置いてくんだ?」
「え…?」
あたしは振り向く
誰もいないと思っていた教室に1人、こっちを睨んでいる人がいた。
「…え?なんで新名くんいんの?」
新名くんはあたしの斜め後ろの席に座っていた。
やばい…あたし独り言いっぱい言ってたよね?今更ながら恥ずかしくなる。
「木島さんが起きるの待ってた」
「えっ!?」
「…って、言ったらどうする?俺の事少しは気になる?」
……こいつ。こう言う冗談言わないで欲しい。普通に動揺するし…。
「…で?本当の理由は?」
新名くんがあたしを待ってあげようなんてこんな時間までいるなんて有り得ないし、極度のめんどくさがりだって事も知っている。
「部活だよ」
「あ、そうだったの?」
「うん、今日は次の大会に向けて遅くまでやってたから」
「大変だね」
「そうでもないよ」
「…新名くん、もう止めよう。なんか馬鹿馬鹿しくなってきた」
「俺は楽しかったけど」
新名くんが部活やるはずがない。絶対そういうのめんどくさいって思う人だ、新名くんは。
「帰ろっか」
「そうだね」