只今化学のテスト中。
プリントを一目見た瞬間思った。″終わった″と。
授業でやっているであろう内容でもあたしには解らない。授業はちゃんと受けている。授業態度は最高に良い方だと思うんだよね。
…見た感じはね。実際話なんか聞いていない。今みたいにいつも何かしょうもないこと考えていたりしている。小学生の頃からこんな感じだから成績も伸びる筈がー…
「また妄想してるの?」
横から聞こえてきた声にあたしは肩がびくってなった。それを見てクスクス笑う奴。
「してません」
あたしはカンニングにならない程度で横の人…新名くんにそう言った。
「またまたー」
またまたー、じゃねぇよ。妄想なんてしてない。
新名くん、とはクラスが一緒。クラスの席では出席番号で離れているけど移動教室の席では自由で、あたしは廊下側の一番後ろにした。そうしたらたまたま隣が新名くんだった。
彼は成績優秀、顔も良し。しかし彼にはコミュニケーション能力というのが無く、基本1人でいる。それを彼は何とも思ってないらしい。
「木島さん勉強してないの?」
「してない」
あたしの返答に彼は嘲笑した。
「あんただって勉強してないんでしょ?」
あたしはチラッと彼の答案用紙をみた。
え、うそ…。
ギッシリなんだけど、きっも。
「あ、木島さんカンニングした」
「っ!!!」
「あーあ木島さんも所詮あれか」
「いまのはカンニングにはいりません」
てか、あれかってなによ。
聞こうと思ったけど何か言われるのがめんどくさくて何も聞かなかった。