「だっさ!!!」
って言うのは嘘。
新名くんの顔が一瞬強張ったのは見ない振り。
「新名くん何でも出来そうなイメージ」
あたしの中ではね。
「ふっ、どんなイメージだよ。てか木島さんにだって苦手な事あるでしょ、ほら勉強とか」
言うの早いわ!
「別にやろうと思えば……できるし」
「うん、無理だね」
……むかつく。てかいつの間にかいつもの新名くんだ。
新名くんの切り替えの速さは凄い。
「かなーっ!!!!」
「あーあ、村井さん怒ってるよ」
新名くんは心配そうな顔をしながらも楽しそうに言った。
…鬼畜なやつめ。
「じゃあね」
新名くんはそう言うとあたしに背を向けて歩き出した。
「え、どこ行くの?」
「保健室」
「…あ、そう」
体調悪そうに見えないけど。
どうせベッドで寝るんだろうな。
…いいなー。
あたしはそんな事を思いながら美希の所に戻ろうと足を出す瞬間、後ろから聞こえた。
「木島さんと話すと体力保たないや」
違う意味でドキッとした。