「そうそう、それ振ったら面白いもん見れるぞ。」


水月はそう言って慎也のそばを離れた。


慎也は言われた通り、小刀を振った。


するとキーンと音がして、桜支援団の残りの半分が気絶した。


「なんだこりゃ?」


当の本人は興味本意でやったので、何が起きたかさっぱりわからなかった。


水月だけは


「やっぱりな。」


みんなに聞こえないくらい小さな声でそう呟いた。


そして目を瞑り、開けたときには殺気はどこかへ行っていた。


「さて、競技は中止だな。あ~あ、せっかく大掛かりなアクシデント用意したのに。もったいねぇ。」


水月は抜いだパーカーを着ながら


「じゃあ、美利亜連れて帰るわ。」


そう言った。