さっき出した紙をみんなに見せながら水月は言った。


「そういえば、お兄ちゃん、関係あるの?」


「お前、人の話聞けよ。あ~、もういい。」


グシャグシャっと音をたてて紙を丸めると水月は苛立ったように


「愛梨栖ちゃんは水着ガールで他4人は選手。で、俺は審判。」


「はっ?」


「はっ?じゃねぇ!だーかーらー、勝てばすむ話だろ?俺がひいきしてやるよ。」


「でも、なんでお兄ちゃんが審判なの?」


「それはここの会長さんが意地で取ったんだよ。で、その出場する高校のOBの俺が選ばれたってわけだ。真目なんて名字、珍しいからすぐにわかったんだとよ。」


「でも、ひいきってばれない?」


「その点は心配いらないわ。もう手は打ってあるから。」


満面の笑顔で答える理事長の裏には何かありそうだった。