「なんとか間に合ったみたいだな。」


「おっお兄ちゃん!?」


ガシャンと音をたてて美利亜の手からカッターが落ちた。


「よかったな。なんとか団。俺が止めなきゃお前ら血まみれだったんだぞ。」


にこやかに言う水月の目は冷めていた。


「気絶してるふりをしてるやつも含めて今すぐ立ち去れ。」


「はっ。あんたなんか怖くないつーの。」


「ふーん。せっかく見逃してあげようってのに。それじゃあ美利亜に傷つけた代償は払ってもらおうか。」


水月の視線に濃い殺気が込められた。


すると相手は一瞬怯んだ。


その隙をついて水月は次々と相手を倒していった。


ドサッ。


最後の1人が倒れると水月は美利亜に着ていたパーカーを脱いでかけた。