叔母さんはそんなことには気づかないようで


「あいつはどこ?」


「寝てる。」


「あら、そう。じゃあみなさん、今日は泊まってもいいわよ。どうぞ、ごゆっくり。」


そう言って叔母さんは2階へ上がっていった。


「ごめん。ちょっと待ってて。」


水月は早口に言うと2階へ上がっていった。


そしてすぐに


「私が帰ってきたのに迎えに出てこないなんてどういうこと!」


パシーンと乾いた音がした。


「水月くんのお友達が来てるのにお茶も出さずに寝てるなんて!」


「母さん、やめろよ。」


「お兄ちゃん、いいの。」


今度は上からドンと音がした。


4人は2階へ行きたくなったが、堪えた。


「その口で水月くんをお兄ちゃんなんて呼ばないで!」


「ごめんなさい。」


「あら?水月くん。お友達は?」