「高槻さん。」


「すみませんが、ご同行願います。詳しいことはのちほどお話致しますので。」


「柊。」


嵐は飛び込んできた人-廉のお付きの高槻柊(たかつきひいらぎ)を呼んだ。


「救援がない限り、俺たち真目家は介入しないぞ。」


「…。わかりました。」


柊は少し項垂れた。


「ただし、美利亜は行かせてやる。どうせ行くって言って聞かないからな。」


「兄さん…、ありがとう!」


美利亜は嵐に抱きついた。


「ほら、早く行ってこい。もう歩けるんだし。」


トンッと嵐は美利亜の背中を軽く押した。


「うん!」


「ただ。」


嵐は言いかけた言葉を飲み込んだ。


「何?」


美利亜は不思議に思って首を傾げた。